Banished「奈良村」の紹介 (3)

前回の記事に引き続き、地区ごとに村を紹介。

奈良地区

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桜井地区から北に、森林を挟んで開発された地区。住宅地と農地が計画的に分離できているため、上空から見下ろしたときに最もバランスが取れているように見える。ただ、西側の湖は交易ルートからは外れているため、交易所からは遠い。それ以外については一通りの施設が整っており、この地区の村人は、役場を誘致しようと画策している。東側の山からは鹿がよくやってくるが、狩猟はあまりおこなわれていない。

大和郡山地区

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奈良地区からトンネルを挟んで北東の地区。中心街からはトンネルを経由せず、林間をつなぐ道路も整備されている。南西で広陵地区ともつながるため、交通の需要は高い。北側には交易所が2つ(川を挟んだものも数えると3つ)あるため、物資の輸出入拠点としても重要である。

天理地区

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天理教教会を中心とした、閑静な地区。北側の奈良地区とはトンネルでつながる。西側は桜井地区であるが、交通は未整備。開発は遅れているため、土地はまだ余っている。共同住宅を増やしたほうが天理っぽいだろうか。

山添地区

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奈良地区から北側、大和郡山地区から北東にある地区。牧畜が盛ん。北側および東側は山に囲まれているため、周囲の地区とはやや隔絶されている。家畜から採取できる羊毛や皮革を活かした衣料の生産し、大和郡山地区に整備されている交易所からの輸出を進めている。

生駒地区

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大和郡山地区から西側の川を渡った地区。市場を中心に、新興住宅地としての開発が検討されている。住民は、地区内の農業・商業だけではなく、西側に広がる森林に関する職に就いている者も多い。南側のトンネルを抜けると広陵地区である。

二大橋

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後述する五條地区の新規開発のためにおこなわれた、奈良村最大の公共事業。村最大の湖を横断する形で、橿原地区と五條地区または香芝地区と五條地区をつなぐ形で架けられた。現在も一定の交通量はあるが、移動距離としては長いため、交易所や市場勤務以外の村人にはあまり使わせたくない。

五條地区

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二大橋を渡り、最近になって開発が進んでいる地区。資材の運搬手段が限られているため、開発スピードは遅かったが、それでもかなり整備されてきた。他の地区と同様に、市場を中心に計画的に住宅地を広げようとしている。トンネルを挟んで西側には牧草地や果樹園が広がっている。

明日香地区

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東西に架かる大橋の南側、山沿いに広がる地区。奈良県の歴史とは真逆をいくが、この世界では最も歴史は浅い。五條地区には交易所に適した土地が見つからなかったが、こちらの地区には複数の交易所を建設できている。北部の交易所には、元々は橿原地区の住人が勤務していたが、今はこちらの地区の住人が勤務している。

今後の村について

村人が1000人を超えてゲームが重くなってきたため、実際のプレイはこれで終わりにする。もし今後も開発を進めるのであれば、五條地区の南には、交易ルートを含む未開発の土地が残っているため、まだ開発を進めることはできるだろう。あとは多数の交易所の取引を自動化していきたい。この村は大きな災害に遭遇した経験はないが、竜巻などの発生によっては大きな打撃を受けることもあるだろう。しかし、もしそのような出来事があっても、各地区の住民は相互に交流があり、備蓄してある資源・資材も豊富であるため、安定した村へと成長したと言えるだろう。

Banished「奈良村」の紹介 (2)

前回の記事に引き続き、村の紹介をしていく。
いくつかの地区に分け、開発を進めた順に紹介する。地区名は奈良県をもとに命名したが、完全に後付けの設定であるため、実際の奈良県の特徴をそこまで反映した村づくりができているわけではない。

橿原地区

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村の中心である、初期の住宅や荷馬車があった土地。東西の釣り場と、南方の森林の資源を軸に発展してきた。古い木造の住宅が今も数件残る。石切り場や鉱山もあるが、当該資源の入手は交易での輸入に頼っているため、今も昔もほとんど使われていない。

広陵地区

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橿原地区から川を挟んで北側の地区。橿原地区北側の木こり場が橿原地区の住宅地から離れているため、より通勤に便利な住宅地として開発された。市場を配置するほどの土地が用意できないため、ModであるHardware StoreとGeneral Storeが建設されている。西側の森林からの資源採取もおこなっており、その資源を有効に活かすための薪割り場も2つある。後に2箇所の交易所も建設され、住民の人数は少ない割には村の要所となっている。このため、もっと人口を増やして流通を促進したいのだが、森林環境の保護のために新たな住宅を建てられない状況となっている。

香芝地区

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橿原地区から川を挟んで西、広陵地区の南西。市場を中心に、住宅が集中している。畑が少なかった橿原地区とは異なり、一定量の畑も存在している。交易で入手した種子を利用し、それぞれの畑では別々の作物を植えているため、虫害が大規模化しづらい。川や湖にも面しており、漁業も盛んである。学校も2つあり、広陵地区の子どもは、森を通って香芝地区東側の学校に通う。

桜井地区

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橿原地区東側のトンネルを越えた先の地区。画面を四分割して左上の部分は橿原地区である。このため、橿原地区と接続するトンネルは北から数えて2つ。北側の道路から中和幹線、国道165号線である。平野部が少ないが、住宅は市場の影響範囲内になんとか集中させている。南側の住宅については、画面外に建設されているFarm Standの影響範囲内。南北にそれぞれ森林が存在しているが、産出した木材を加工するための薪割り場が少なかった。土地が余っていなかったため、トンネルを挟んで西側に薪割り場を新設。ややアクセスは悪いが、それなりに稼働しているようである。

妄想・空想の話が続くが、残りの7地区についてもこの調子で書いていきたい。

Banished「奈良村」の紹介 (1)

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前回の記事で触れた村について、64年経った現在を紹介する。単に脳内設定を書き起こした自己満足の記事。

地形の設定は下記の通り。

マップシード 372721101
地形タイプ 渓谷地帯
地形のサイズ 大マップ
気候条件 穏やか
災害の有無 オン
難易度 易しい

村の全体

大きな災害に遭うこともなく、最終的な人口は1000人を超えた。家族数506に対して家屋数295のため、二世帯以上の住宅が多そう。ただ、あまり家屋を増やしすぎると人口が爆発するため、あえて建設を抑えている。集合住宅もいくつか建設されているが、住民からは人気がなく、移民の一時的な受け入れ用途である。教育率は92%。村で生まれた住民は学校に通えているが、未教育の移民が引き下げている模様。未教育の彼らが重要な職業に就いてしまうと生産性を下げてしまい、問題となっている。食料の種類は多いため住民度の健康度は最高で、教会も充実しているため、幸福度も最高となっている。
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資材の備蓄は多め。最近の人口増加のため、食料の消費量が生産量を上回っているが、9箇所ある交易所からの輸入でしのぎ、その間に増産していけばなんとかなると思われる。
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9箇所ある交易所では、肉・魚・衣類を輸出し、石材・鉄・石炭を輸入している。輸出のために大量の食料を収蔵しているが、タンパク質のみと偏っているため、食糧不足時の緊急用としてはあまり期待できない。薪の収蔵量は多いため、寒さで凍え死ぬことはなさそう。
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特定の職業に就いていない労働者を除くと、最も多い職業は「露天商」「交易商」。彼らが村の流通を成立させるおかげで、ほかの住民は近隣の市場で必要物資を手に入れられる。農民も76人と多いが、畑は教育済みの住民一人がちょうど整備できる大きさに分割されているため、効率化が進んでいる。石切り場と鉱山は稼働していないため、鉱夫と石工を職業としている住民は居ない。
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次の記事では、各地区について、開発を進めた順に紹介していこうと思う。

中世村づくりシミュレーションゲーム『Banished』レビュー

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2014年に発売されたBanishedを、ここ2ヶ月ほど、ちょこちょこプレイした。
ゲーム内時間で64年、村の人口が1000人を超えたので、ゲームについて軽く紹介する。

よかったところ

価格

安い。Steamを通して定価の1,980円で購入したが、各種Sale期間に合わせれば700円を切るようである。

世界観

車や電車といった移動手段がないため、他の街づくりゲームと比較してのんびりとした世界観で、ゆっくりと村の発展を楽しむことができる。
ただ、その見た目とは裏腹に、いつの間にか食料や資材の需給バランスが崩れてしまっていたり、伝染病や災害により一気に村が崩壊するリスクを常に抱えているため、慎重なプレイが要求される。

プレイ感

街づくりゲームでは、いかに住人や物資を効率よく動かし、流通を成立させるかを追求していくような遊び方が好きなのだけれど、そのツボに見事ヒットした。村人の最適な移動経路、効率よく食料を生産する方法を追求しているだけでも、それなりに魅力がある村が誕生していくのが楽しい。Banishedでは建物の位置が地形の影響を大きく受けるため、しっかり地区に個性が出てくる。このため、このような街づくりゲームが抱える「碁盤病」が起こりづらい。

スペック

ロークラス*1に分類されるような低スペックノートPCでも十分に動作した。


イマイチなところ

総じて満足度が高いが、ちょっと気になった点。下記以外にも気になった点は少しあるが、おそらくModを追加することで緩和されるものと思われるため、ここには記載しない。

終盤のゲームバランス

人口が700人ほどを超えると、食料や資源の受給バランスには問題がないものの、大量に余る労働者をうまく活用できなくなってくる。これは、Vanillaだと第二次産業相当の職業に割り当てる必要がある人数が少ないことが一因だろう。大型ModであるColonial Charterを導入するとそのあたりの職業が増えるようなので、導入してまたプレイしてみたい。

また、人口が増えていくにつれて、ゲームが重くなり、輸送効率が悪くなってしまうという問題(不具合?)があると思われる。このため、人口が1000人前後になると、その村に対してはそれ以上やることがなくなってしまう。

導入Mod

ゲームバランスを壊さないように注意しながら導入した。

Japanese translation
日本語化。まずはこれ。
Smaller Vendor Buildings
「市場」に比べて小型であり、容量や用途が限定された「Hardware Store」「General Store」「Farm Stand」を建設できる。小さい集落に対しても物資が行き渡らせることができる手段として便利。
Hard Labor
村人の移動速度、輸送量の増加。人口増加による輸送効率悪化を緩和する手段として、終盤に導入。結果として、敷設した道路の使用率も上がる。
Radius ReColour
効果範囲を表す円の色を変更し、視認しやすくしてくれる。
Mushroom Fix
なぜか他の食料の4倍の重さがあるキノコを、ほかの食料と同じ重さに変更する。これはSteam Workshop経由では導入できなかった。

まとめ

Sim City、Cities:Skylines、A列車で行こうThe Towerなどのシミュレーションゲームが好きならおすすめ。
実際にプレイした村の紹介記事や、Colonial Charter導入後のレビュー記事についても書いていきたい。

新作ボードゲーム「百怪夜行」ファーストインプレッション

f:id:flyaway:20161203232554j:plainクラウドファンディングで出資していた「百怪夜行(ひゃっけやぎょう)」が届いたため、早速やってみた。妖怪のイラストが描かれているユニークカードは、エンボス加工もされていて高級感もあり、触って並べているだけでも楽しい。

一人で並べてルールを理解した後、二人でプレイ。

ゲームのルール自体はシンプル。

山札から並べられたカードの選択肢から1枚取り、手札を増やし、完成したカードの組み合わせを公開していく。公開できたプレイヤーが得点を総取りするルールのため、得点が低くても早上がりを繰り返すのが強いのかと思いきや、勝利条件である10点に一気に到達する役もあるので、そういうわけでもなさそう。

また、背伸びして自分の手を進めるような行動を取った場合、相手を利するリスクが発生すると同時に、ゲーム自体のテンポも上がる。このあたりのゲームデザインはよくできていると思う。

ルールに分かりづらい点がいくつかあったため、作者のツイートをもとに、非公式ではあるがここに補足しておく。(これで合ってるよね?)

2017/05追記:ルールブックのわかりづらい点を改善したとのことで、4月上旬に作者からわざわざ郵送で新しいルールブックが送られてきた(ご丁寧にありがとうございます!)。下記の点はすべて解消されている。新旧を比較してみると、改善点がいくつも見つかり、これはこれでおもしろい。新しいルールブックは作者のゲーム紹介ページからもダウンロードが可能。

  • 物語(ラウンド)終了条件の規定枚数は「1プレイヤーあたり」で判定する。すべてのプレイヤーの合計ではない。
  • 物語(ラウンド)終了後は、すべての妖怪カードを回収・シャッフルする。次の物語(ラウンド)は、ゲームの開始時と同じく、各プレイヤーの手札は金魚カード1枚、妖怪カード2枚から開始。
  • 井戸端会議ゾーンのカードは表向きにして置く(ルールブックのイラストの通り)
  • 「百怪夜行」は続物でなくても可。また、JOKERや金魚(オールマイティー)が含まれていても可。

作者によると、ラウンド終了時の処理については麻雀をイメージすると近いとのこと。

バッティング要素が弱く、ソロプレイ感が強いのがやや残念。プレイ人数が変わると、その感覚も変わるかもしれないので、三~四人でもプレイしてみたい。
pen-and-dice.booth.pm

ニムト(6 Nimmt!)

有名ボードゲーム(カードゲーム)が続いてしまうけれど、第二弾として、ニムトの紹介。

このゲームの魅力を改めて解説するのも面倒なので、一言で表現してしまっていいのかもしれない。

誰でも楽しめるパーティーゲーム

ルールの難易度が低い。一回のゲーム時間が短い。待ち時間が少ない。何度でもやりたくなる。パーティーゲームとして、これ以上に盛り上がるカードゲームは、今のところ知りません。個人的には、過去に「団体旅行に持って行ったら、別の人もたまたま持ってきていた」「家族バラバラに買っていたので、家に2つある」というエピソードもありました。

これがおもしろいと感じられたなら、インフェルノ(Inferno)とか、ハゲタカのえじきも楽しめそう。これらもそのうち感想を書くかも。

パンデミック 新たなる試練

いままで遊んだことのあるボードゲームの感想を書いていこうかな。

まず第一回目として、一番お気に入りの協力型ボードゲームであるパンデミックについて。

ルールの解説とかは省略して、気に入っているポイントを4つ挙げます。

初心者に優しい

このゲームはプレイヤー全員で協力して勝利を目指す協力型ゲームです。協力型ゲームのよいところとして、何をしたらいいのかわからないような初心者がいても、周りがアドバイスをしながら行動を決めることができる。このため、初心者が気負う必要はほとんどない。

終盤のドキドキ感が楽しい

「あと一巡凌げればゲームクリア!」という状態になっても、最後まで油断はできない。危険なカードを引いた瞬間に、いつの間にか形勢が逆転していることもよくある。その危険を回避して勝利したときの達成感は忘れられない。

拡張性が高い

別売りの拡張セットも多く発売されており、高いルールの拡張性も感じられる。一部の拡張ルールだけを採用して遊ぶこともできるし、多少のルールを変更しても破綻しないような優れたゲームバランス設計になっている。ボードゲームに限らず、ゲームで遊んでいると、自分で考えたオリジナルルールで遊んでみたくなる瞬間っていうのはあるのだけれど、パンデミックはそういった題材となるゲームとしてもぴったりなのでは。

2人から多人数まで遊べる

2人でも十分に楽しい。また、拡張版である「パンデミック:迫りくる危機」(プレイ済み)は5人まで、「パンデミック:科学の砦」(未プレイ)は6人まで遊べる。人数が溢れた場合も、経験者は他のプレイヤーに助言しながら観戦することもできる。

 

ボードゲーム市場、もっともっと拡大していくといいなあ。